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執筆者の写真hitohka

花筏 -令和のかたち-


去る10月、第3回アート&デザイン新世代賞にてインスタレーション作品「花筏 -令和のかたち-」が特別賞を受賞致しました。



「令和」と聞いてあなたはどんなかたちをイメージするでしょうか。


本作『花筏 -令和のかたち-』は新元号「令和」の出典である万葉集の一節 “天平二年正 月十三日 萃于師老之宅、申宴会成、于時、初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香” を一字一字分解し、和紙をくり抜き、花として再構成した作品です。花筏とは水面に浮かび流れる花を筏に見立てた、言の葉と同様に非常に日本的で美しい単語です。現在最も画数が多い漢字は総画数60〜80以上とも言われています。漢字を分解していくと、横線、縦線、点、払い、撥ね、といった似通ったパーツの複雑な組み合わせによって成り立っていることが分かります。これは私たち人間社会も同様であると言えるのではないでしょうか。一人として同じ人はいません。そして、誰しも一人では生きていけないけれど、人々が集い、文字となり、文字が集い、言葉となる。時には醜くもなるけれど、美しい言の葉を紡ぐことも出来る。それは私たち次第です。新元号に込められた「冬の寒さに耐えた梅の木が見事な花を咲かせるように、一人ひとりが明日への希望とともに大きな花を咲かせることができる時代」という願いに象徴されるように、私たちは花びらであり、花であり、手に手を取り合って進む一つの集合体なのです。


ここに一艘の筏があります。未来へと漕ぎ出したばかりの、小さな筏です。



Flower Raft -The Form of Reiwa-


This art piece contains letterings of a verse from an eighth-century Japanese anthology known as the Manyoshu(万葉集) , in which the name of the new era, "Reiwa(令和)" derived The verse states "Gathered together on the 13th of January 730C.E. at the home of the Dazaifu's chief, it is now the month of early spring. the weather is fine, and the wind is soft. The plum blossoms open, and the sweet fragrance of the orchids." This poem is cut out of Japanese paper word for word, and is reconstructed into a flower. There is no same individual, nor can live alone. People come together and become a letter. Letters come together and become a word. Words can come together to create something beautiful. The new era, Reiwa, is "like a plum tree that has endured the cold winter that blossoms beautifully, like how people with hopes for tomorrow in their hearts can each make a flower bloom." Humans are like a combination of petals that create an one and only original beautiful flower.




「時代の言の葉、言葉のデザイン」をテーマにした今回のコンペティションには、審査員に文筆家の先生方-主宰の辻仁成先生、歌人の俵万智先生、起業家の島田成年先生が集い、大変あたたかな懇親会となりました。幼い頃からその作品に親しんできた先生方に選出していただけたことは大きな喜びと励みとなりました。


Design Stories サイトにて受賞者の作品と選評が公開されています。是非ご覧くださいませ。


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